一部の自治体では、マンションの外壁塗装に補助金や助成金を活用できる制度が設けられています。
制度を利用することで、費用負担を軽減しながら建物の耐久性を向上させられます。

ただし、すべての外壁塗装が補助対象となるわけではなく、一定の条件を満たさなければいけません。
また、補助金の支給額は自治体や工事の内容によって異なるため、前もって要件を確認し、漏れのない申請手続きを進めましょう。
 

補助金を受けられる条件

補助金や助成金を受け取るには、自治体が定める条件を満たしている必要があります。
多くの場合、外壁塗装の目的や工事内容が判断基準となり、申請者の資格や手続きのタイミングにも注意が必要です。

補助金制度の詳細は自治体ごとに異なりますが、基本的なルールは共通しているため、ここで確認しておきましょう。
 

基本的には省エネ対策のための外壁塗装が対象

外壁塗装に関する補助金は、単なる美観の向上を目的とする工事ではなく、建物の断熱性や遮熱性を高める省エネ対策が重視される傾向にあります。
 

そのため、断熱塗料や遮熱塗料を使用した塗装工事が補助対象となるケースが多く、環境負荷の低減やエネルギー効率の向上を目的としたリフォームが求められます。
また、補助金の対象となるには、一定の基準を満たした塗料を使用する必要があります。施工前に、適用可能な工法や塗料について確認しておきましょう。
 

管理組合の代表理事が申請

マンションの外壁塗装における補助金申請は、一般的に個人ではなく管理組合の代表理事が行う必要があります。
マンション全体の改修工事として申請するため、工事の計画段階から管理組合が中心となり、助成金の適用条件を満たしているか確認しなければいけません。
 

また、多くの自治体では、工事開始前に申請し認可を受ける必要があるため、スケジュールを適切に管理し、余裕をもって準備を進めましょう。
 

受け取れる補助金の目安

補助金の支給額は、自治体の予算や工事の規模、内容によって異なりますが、一般的には工事費用の10〜20％が補助され、上限額は10万〜30万円程度に設定されています。
補助金制度の中には、総工費に対する割合で支給されるものと、一定の上限額が定められているものがあり、補助金の適用範囲を超えた費用は自己負担となります。
 

そのため、補助金を活用する際は実際に受け取れる金額を把握し、全体の工事費用とのバランスを考えて計画を立てましょう。

マンションの外壁塗装に関する補助金・助成金について、実際にどのようなものがあるのか知りたい方もいるでしょう。
ここでは、各自治体が実施している助成金制度を紹介します。
 

東京都品川区「住宅改善工事助成事業（エコ＆バリアフリー住宅改修）」

東京都品川区では、省エネ改修や防災・バリアフリー改修を目的とした外壁塗装に対し、助成金が支給される制度を設けています。
マンション管理組合が申請可能で、工事費用の10％（上限100万円）が補助されます。
 

助成対象となるのは、環境に配慮した断熱素材を使用した改修や、バリアフリーを目的とした外壁補修など。
申請期間が設定されているため、事前にスケジュールを確認し、計画的に申請する必要があります。
 

千葉県我孫子市「住宅リフォーム補助金制度」

千葉県我孫子市では、個人住宅を対象とした住宅リフォーム補助金制度を実施しています。
外壁塗装単体での補助は受けられませんが、断熱改修や省エネリフォームと組み合わせることで、助成対象となる場合があります。
 

子育て世帯向けの優遇措置があり、補助金の上限額は最大50万円に設定されています。
申請には事前の手続きが必要で、自治体の指定する施工業者を利用することが条件となります。
 

大阪府摂津市「住宅リフォーム補助金」

大阪府摂津市では、親世帯または子世帯が同居・近居するために行うリフォーム工事を対象に、補助金制度を実施しています。
補助額は工事費の2分の1までで、上限は25万円です。

マンションの外壁塗装そのものは対象外となる場合がありますが、改修工事の一環として断熱や防水性能の向上を目的とした工事を行う際は、助成の対象となる可能性があります。

補助金の申請は予算上限に達すると締め切られるため、早めの手続きが必要です。

マンションの外壁塗装で補助金を申請するには、事前の手続きや書類の準備が必要となるため、計画的に進めましょう。
ここでは、補助金の申請から工事完了後の手続きまでの流れを解説します。
 

お住まいの自治体の補助金・助成金制度をチェック

まずは、お住まいの自治体が外壁塗装に関する補助金や助成金制度を実施しているか確認しましょう。
自治体の公式ホームページには、補助対象となる工事の種類や申請要件が記載されています。

また、補助金には申請受付期間が設けられている場合があり、予算が上限に達すると募集が締め切られます。
 

外壁塗装業者に見積もりを依頼

補助金の申請には、工事の詳細を記した見積書が必要となるため、信頼できる外壁塗装業者に見積もりを依頼しましょう。
見積もりを依頼する際は、複数業者から相見積もりを取ることで、適正価格を判断しやすくなります。
 

また、補助金の対象となる塗料や施工方法が指定されている場合があるため、業者に補助金制度を利用することを伝え、要件を満たした見積もりを作成してもらいましょう。
業者によっては、補助金の申請手続きをサポートしてくれる場合もあるため、その点も含めて比較検討すると良いでしょう。
 

申請に必要な書類の準備・提出

補助金の申請には、見積書のほかにもさまざまな書類が必要です。
自治体ごとに求められる書類は異なりますが、一般的に以下のような書類を準備します。

●工事計画書

●申請者の身分証明書（住民票など）

●納税証明書

●施工業者の見積書

●建築確認通知書の写し

●施工前の現況写真

●使用する塗料の仕様書

申請は工事を開始する前にする必要があり、工事着工後に申請しても補助金の対象になりません。
審査には数週間から数か月かかる場合があるため、余裕をもって準備を進めましょう。

外壁塗装業者との契約・着工

補助金の申請が承認されたら、正式に外壁塗装業者と契約を結び、工事を開始します。
契約時は、補助金の対象となる工事内容に変更がないか確認し、契約書の内容をしっかりとチェックしてください。
 

また、一部の自治体では工事内容に変更が生じた場合に「工事変更届」の提出が必要になる場合があります。
工事が始まると、足場の設置や高圧洗浄、下地補修、塗装作業といった工程が順次進められます。

工事中の安全管理や施工品質のチェックも重要です。管理組合や住民が施工状況を定期的に確認するとよいでしょう。
 

工事終了後に“工事完了届”を自治体に提出

工事が完了したら、補助金を受け取るために「工事完了届」を自治体へ提出します。
提出書類は、工事完了後の写真や請求書の写し、工事施工中の記録などが求められます。
 

自治体による最終検査が完了し、交付額が確定したら助成金が指定の口座に振り込まれる流れです。
自治体ごとに提出期限が定められているため、工事完了後は速やかに必要書類を準備し、提出しましょう。
助成金の支給までに一定の時間がかかるため、スケジュールを考慮しながら手続きを進めてください。

マンションの外壁塗装工事の費用は、建物の規模や塗料の種類、塗装方法、追加工事の有無によって異なります。
一般的な相場は、1平方メートルあたり2,000円〜6,000円程度で、これに足場設置や高圧洗浄などの費用が加算されます。
 

例えば、2階建ての小規模マンション（500平方メートル）の場合、200万円〜300万円、4階建て以上の中規模マンション（1,000平方メートル以上）では500万円〜1,000万円かかることを想定しておきましょう。

マンションの外壁塗装で補助金・助成金が使えないとき、費用削減の最も確実な方法が、複数業者から見積もりを取ることです。
相見積もりを取ることで、現在の相場を把握できるだけでなく、不必要な工事が提案されていないか確認することもできます。
 

例えば、ある業者だけが特定の修繕を提案した場合、その必要性を再検討する機会になるでしょう。
さらに、見積書の内容が明確であるかどうかも重要なポイントです。
細かな工事内容や単価が明示されていない場合、不透明な料金設定になっている可能性があるため注意してください。
 

適正価格で工事を依頼するには、少なくとも3社程度の見積もりを比較し、それぞれの提案内容や価格を精査しましょう。
 

また、見積もりを取る際は、施工実績やアフターサービスの内容、保証期間の有無なども確認し、総合的に判断すべきです。
料金の安さだけで業者を選ぶのではなく、適切な施工が期待できるかどうかも考慮しながら、最も信頼できる業者を選定してください。

外壁塗装の補助金・助成金を活用することで工事費用を抑えられますが、申請時にいくつか注意点があります。
補助金や助成金の活用を考えている方はチェックしてみてください。

対象の工事内容が向かない可能性がある

外壁塗装の補助金は、省エネ効果や防災対策を目的とした工事に対して交付されるケースが多いため、一般的な塗り替えでは対象外となる場合があります。
特に、遮熱塗料や断熱塗料の使用が条件に含まれるケースが多く、これらの塗料は地域の気候によって適さない場合があるのです。
例えば、寒冷地では遮熱塗料を使用すると冬場に屋内の温度が下がりやすくなり、快適性に影響を及ぼす可能性があります。
補助金の対象となるからといって安易に選ぶのではなく、建物の特性や立地環境を考慮しながら、最適な施工方法を検討することが大切です。
 

自治体によっては先着順や抽選の場合がある

助成金の申請は、全ての条件を満たしていても必ずしも受けられるわけではありません。
多くの自治体で予算の上限が設定されており、一定の応募数に達すると受付を締め切ります。

そのため、申請が開始されたらできるだけ早く手続きしましょう。
中には、先着順ではなく抽選方式を採用している自治体もあり、申請しても必ず助成金が受け取れるとは限りません。

補助金を確実に活用するには、各自治体の制度を確認し、申請受付のタイミングを逃さないようにしましょう。

申請から認定までに時間がかかる

助成金や補助金の申請手続きは、書類の準備や審査に時間がかかります。
申請には見積書や工事計画書、建物の登記簿謄本、施工前の写真などが必要になる場合があり、これらを揃えるのに時間を要することもあるでしょう。
 

また、自治体によっては審査期間が数週間から数か月に及ぶこともあり、工事のスケジュールに影響を与えるかもしれません。
工事完了後も、助成金を受け取るためには「工事完了届」や「施工後の写真」などを提出する必要があり、申請の手続きが煩雑になりやすい点も考慮しましょう。

いかがでしたでしょうか？マンションの外壁塗装に関する補助金・助成金について、お分かりいただけたかと思います。
外壁塗装は、建物の保護と美観を維持するために欠かせない工事ですが、費用が高額になることもあり、補助金や助成金の活用が大きな助けになります。
 

ただし、申請には一定の条件があり、計画的な準備が必要です。
塗装工事では、使用する塗料や施工技術によって仕上がりや耐久性が大きく変わります。
ウェルリペアでは、経験豊富な職人がしっかりと事前調査を行い、施工する建物に最適な塗装プランをご提案します。

適切な塗料を選ばないと塗装の劣化が早まり、結果的に追加のメンテナンスが必要になることもあるため、信頼できる業者に依頼するのが最も大切です。
マンションの外壁塗装をお考えの方は、ぜひウェルリペアにご相談ください。